中3生にとっての夏期勉強合宿は、生徒一人ひとりが主体的な学びを獲得して、3年半後の大学受験に向けてモチベーションを高めるための重要な行事です。自分自身と真剣に向き合い、学友と切磋琢磨し、他律的な学習から主体的な自律的学習への転換を図ることがこの勉強合宿の大きな目的です。それは夢の実現のための大いなるステップとなります。中等部も3コース制に移行した現在、その将来の進学実績が大きく期待されます。
東大や医学部をはじめ、難関大学に多数の合格実績を出している背景には、勉強合宿を境に自己変革を成し遂げた生徒たちの姿があります。3年半後の自分の姿を先輩たちに重ね、大学受験を意識した基礎学力養成のスタートがこの勉強合宿です。
高等部2年生で実施される夏期勉強合宿は江戸取における本格的な受験勉強のスタートです。一日の大半は自学自修となります。自らの意志で取り組まなければ真の学力は身に付きません。己に克つことが何より大切なことから、本校では「自習」ではなく、「自修」と称しています。教師は生徒が己と闘う姿を見守り、必要に応じて助言、指導をします。そして、生徒はお互いに級友の勉強する姿を励みとし、己の弱さや不足を克復していきます。そこから生まれる相乗効果は学力の養成だけでなく、友情の輪も育み、現役生としての強味を増していくきっかけとしていくのです。この5泊6日の夏期勉強合宿をやり終えた時の達成感は、その後の受験勉強に取り組んでいく上での大きな自信に繋がっています。
第23期卒業生のM.Uと申します。私は中学校1年次に編入してから約6年間、江戸川学園に在籍していました。中高ともに陸上競技部・短距離に所属し、高校3年生夏の引退まで毎日練習しました。その後、なんとか現役で山形大学医学部に進学し、現在、宮城県にあるS病院で消化器・血管外科として勤務しております。
医学部を卒業すると、まず初期研修医として2年間の研修期間があります。その研修期間が終わろうとしていた2年目の3月に東日本大震災が起こりました。雪の降る中、津波で浸水した家屋で冷たい水に凍えながら一晩過ごして運ばれる低体温の患者、津波で全身を打撲、骨折し、身動きの取れない患者、薬を流され持病が悪化した患者、家を失くし病院に避難する患者家族…等々たくさんの人でごった返しました。休む暇もなく、ただ目の前の非現実的な光景をただただ受け入れながら必死に働きました。10日ほどして電波がつながった時に高校の同期や先輩、後輩からたくさんの安否を気遣うメール、応援メッセージをいただき、少し昔の日常に戻れた気がしました。それを励みに今現在まで震災後の石巻医療圏の復興に携わっています。外科としてはまだ2年目ですが、胃や大腸、肝臓の悪性腫瘍や、下肢の静脈瘤、透析シャントの手術などを執刀しています。
高校生活は3年という短い間ですが、人として成長するべき要素がぎっしり詰まった3年間だと思います。日々新しいことを勉強し、人によっては部活動に励みながら、自分の将来を模索し、大いに悩むことと思います。中には世の中について考えをめぐらせる人もいるでしょう。そうやって精神的に成熟する大事な時期です。
そのような中、考え、悩み始めると勉強に手がつかなくなり、授業に付いていけなくなり、悩みは解決せずに増えて溜まっていく…という悪循環に陥ったことがある人も少なくないと思います。私も、高校3年生の夏、受験勉強真っ盛りに自分が将来何をやりたいのか思い悩んだことがありました。そのようなときに解決の鍵となったのは長年つきあった同期であり、親身に耳を傾けてくださった先生方でした。
一人で悩み込んでしまうと、上記のような負のスパイラルに陥りやすいと思います。江戸取には悩みを打ち明けられる同期、頼もしい先輩、先生方がたくさんいます。やるべきことがたくさんある中、1日も無駄にはできません。一人で悩まず、共に語り合い、人として成長できる高校生活を送ってください。
大学へ進学すると、高校までのスケールとは比べ物ならないほどたくさんの知識が入ってきます。また、自ら知識を得る時間もできます。高校時代にできなかったことにチャレンジできる期間でもあります。特に医学部は同じ医師という夢に向かうために日本全国から集まります。中には眩しいくらい壮大なスケールの夢を持って進学してくる人もいます。医師といっても、たくさんの専門科に分かれており、それぞれに特色があります。必ず自分に合った専門科が見つかるはずです。医師になる上での一番の関門が大学入試試験といっても過言ではありません。高校時代に努力したことは必ず将来の財産になります。皆さん一人ひとりが夢を叶えられるよう応援しております。
私は2010年度、東京大学文科三類に入学しました。江戸川学園取手中学に入学して以来、高校受験というものを経験せずして迎えた6年ぶりの受験は、私の人生に今後大きく影響していくであろう大学入試でした。合格した喜びは、後になっては完全には再現できないほど、何物にも代え難いものでした。
私は昔も今も、いわゆる天才というタイプではありません。ただ、目標を高く持つこととそれに対する意地は強いと思っています。そして、私の目標達成には、勿論この学校の環境と先生方、また友人たちや両親の支えを抜きには語れません。
私が東大受験を意識したのは中学三年の冬でした。父の影響もありましたが、いずれ全員が必ず受験をするなら最高のレベルを目指してみたいと思ったからです。それでは完全な動機とは言えないかもしれません。大学の友人は具体的な進路に合わせて学部を選んだりもしています。東大の魅力的な点は、よく一般的にも言われる事ですが、学部が分かれるのが3年生になってからということです。私の将来が決まらないのは、あまりに学びたい事が多く、1つに絞り切るというのが中
学・高校ではとても出来ないと感じていた事も大きな原因でした。実際、そのような学生は多いのではないでしょうか?
大学受験を経験して、よかったと思える点はいくつもあります。一番には、他の誰でもない自分と向き合えた事です。自分の弱みや強みに対し、目を背けず、どう改善していけばよいのか考え、計画し、実行する。このプロセスは、勉強だけでなく、恐らく部活動や仕事、そして性格にも応用できるでしょう。そしてこれを実現し得たのは、この学校に在籍していたからだと思っています。先生方は、受験をまだ生徒が意識していないようなころから、こうしたスタンスの重要性を繰り返し教えて下さっていました。それを身を以て体感するか否かが、大きな分かれ目だと思います。
私は予備校へは通いませんでした。金銭的にも時間的にも精神的にも、そんな余裕は無かったのです。しかし、先生方はもちろん、いつも一緒に過ごしており、同じように志の高い友人たちや、両親に常に支えられているという安心感は、何よりも私の心の支えとなっていました。
私が皆さんに伝えたいこと、それは部活であれ勉強であれ、自分がやると決めたことを最後まで自信をもって貫けば、努力に応じた結果というものは必ずついてくるということです。真摯に自分と向き合う機会を、最大限に活かすことが、学生生活において何よりも大切なのだと実感しています。
私は中等部から6年間、江戸取で過ごしました。豊かな自然・整った設備など恵まれた環境で、時間を惜しまずしっかりと向き合ってくださる先生方や、共に学び共に遊び、共に悩んだかけがえのない友人たちに囲まれて、貴重な6年間を過ごすことができたと思っています。
私は予備校には通っていませんでしたが、質問にとことん付き合ってくださる先生方のおかげで、希望している大学・学部に進学することができ、大学では勉強に部活に留学にと、大変充実した日々を過ごすことができました。
社会人となった今、楽しいことと共に困難なこととも向き合う毎日ですが、江戸取で学んだことや、そこで出会った大切な仲間たちに支えられており、改めてそのありがたみを実感しています。
中学・高校というのは、それぞれさまざまなことを感じ、吸収するスポンジのような時期だと思います。このパンフレットをご覧になっている皆さんが、一人ひとりに合った環境で、その後の人生を切り開く力を得られる、楽しく充実した中学・高校生活を過ごされることを、心よりお祈りしております。
はじめまして。東京工業大学で化学専攻の助教をしております高等部20期卒業生のK.Oです。私は高校卒業後、東北大学に入学し化学を専攻しました。その後東京大学大学院に進学、2009年に博士号を取得し1年間のアメリカ留学を経まして、現職に就いています。
現在は、「自己組織化」をキーワードに最先端のものづくりを分子レベルで挑戦しています。「自己組織化」とはDNAやタンパク質といった高度な機能をもった生体分子が、自発的に生成するしくみをいいます。生体分子に匹敵もしくはそれ以上の機能をもつ人工分子の実現を目指し、日夜学生と「ああでもない、こうでもない」と楽しく研究をしています。
高校時代に身につけた「今できることに集中する」という生活習慣は、ひとつの作業に時間のかかる研究生活においても非常に役立っています。野球部に所属し毎日練習に明け暮れていた自分にとって、勉強時間は限られたものでした。先生方に頂いた「日々の授業を大切に」とアドバイスを受けました。実際、先輩方もそうしてきたとおり、授業と紫峰館のみで現役大学進学を達成することができました。「豊富な経験に基づく教育システム」そして、「同じ目標に向かって切磋琢磨できる同級生の存在」と本当に良い環境で高校生活を送れたと思います。今後も江戸川学園で学んだ「一日一生」の精神で研究生活を邁進したいと思っています。
同時に長期間のビジョンを持つことも教わりました。「5年後10年後をイメージする」。江戸川学園で教わったお気に入りの言葉の一つです。立ち止まった自分に今何をすべきか明確な答えを教えてくれます。大学・大学院進学、留学、そして就職と節目できちんと前へ踏み出せたのは、この教えを胸に歩んできたからです。みなさんも3年後6年後を見据えて江戸川学園への進学を考えてみてはいかがでしょうか。