医科コースは、国公立大学の医学部進学を目指すコースです。本校の医科コースは、平成5年に設置され、今年25年目を迎えます。近年、全国的に医師希望者の増加に伴い、ますます難化傾向にある医学部受験に対して、進学実績を着実に上げてきました。今後、本校の医科コースはさらに充実し、進学実績の飛躍的な伸びが期待されます。
江戸川学園取手高等学校20期生のT.Iと申します。順天堂大学医学部に進学し、東京大学にて臨床研修医を終了したのち、眼科医として臨床、研究、教育をmissionに働いております。現在は博士号を取得したのち、2012年9月より米国ハーバード大学医学部のスケペンス眼研究所というところで角膜(黒目の部分)の移植免疫の研究をしております。
まず、医師を目指しているみなさんはぜひその夢を叶えることに努力を惜しまないでください。医師という仕事は一生を費やすに値するすばらしい仕事だと思います。私の医師を目指すきっかけとなったのは、他ならぬ江戸川学園の医学部コースの存在であったと思います。私は部活との両立から東大コースに所属していましたが、医学部コースの存在が私の医師への思いを馳せ続けさせてくれました。
私の6年間の江戸川学園の生活で得ることができたものは「大志、友情、成功体験」です。これらが現在の医師としての私の基礎を形成しています。
江戸川学園での6年間はまさしく現在の私の礎となる教育をしていただきました。中でも高校生の時に教えていただきました、「どうせ目指すなら再難関校の東京大学を目指せ、もし他にやりたい事が見つかった時にその目標もかなうから」という考え方は今も私の信念として生かされています。このような大志を持たない人が、どうして高い目標を達成することができるでしょうか。大学生時代にテニスで全日本学生選手権大会に出場できたのも、ハーバード大学に早期に留学することができたのも、この大志をもつという信念があるからです。私自身も江戸川学園での6年間、医師を目指し続けたことで、夢が叶い、現在があります。みなさんも医師を目指す、それから医師になってからどのように世界に貢献するのかということを常に大志をもって考えてほしいと思います。
次に得た大きなものは江戸川学園で構築された友人関係です。江戸川学園の旧友は各方面でまさしく世界の礎となるべく奮闘しています。例えば、アナウンサーとしてテレビに出演していたり、官僚としてまさしく日本の礎となっている友人もいます。私は常に友人から刺激を受け、負けないようにと励む事ができているのも、これらのすばらしい友人のおかげです。卒業して10数年が経ちますが今でも関係が続いているのはすばらしい人格の友人に江戸川学園で巡り会う事ができたからでしょう。医師という仕事は専門職ですから、時として交流が途絶えがちです。しかし、新たな発見やイノベーションを起こすためには必ず広い知識とビジョンが必要になります。私は江戸川学園のいろいろな分野の友人との交流を通じていつもすばらしいインスピレーションを頂いております。
私は中等部から高等部まで6年間硬式テニス部に在籍させていただきました。当時のテニス部は強豪で、江戸川学園でレギュラーになれれば、それは県の上位選手を意味しました。ですから、私たちは先輩を目標に日々切瑳琢磨することができました。最高で関東大会出場、県2位の結果を残すことができたのは、この切磋琢磨の精神でチーム一丸として頑張ってこられたからだと思います。この体験は今でも成功体験として生きています。毎日頑張っていれば、必ず結果がついてくるとこの時実体験できたわけです。そのおかげで、大学生の頃には全日本学生選手権出場や東日本医科学生総合体育大会で優勝することができました。この成功体験は学業や、現在の仕事にも影響を及ぼしており、日々の努力につながっています。
このように私が江戸川学園で得たものは、今の医師としての私を形成する全ての礎であるといえるでしょう。医師という職業は診療、研究、教育に携われるすばらしい職業です。江戸川学園に入学するみなさん、特に医師を目指すみなさんは決してあきらめず夢を叶えてほしいと思います。
最後になりましたが、6年間指導していただきました、江戸川学園の最高の先生方に深く御礼を申し上げまして、私からの後輩へのメッセージといたします。
江戸川学園取手高等学校18期生のK.Sと申します。
私は江戸川学園取手高校の医科歯科クラスに3年間在籍し、中学3年生より紫峰舘でも勉強させて頂きました。その後は筑波大学医学専門学群に進学し、筑波大付属病院で6年間の研修を積み、現在は心臓血管外科医として茨城県内の病院に勤務しております。
元々あまり意志の強くない私にとって、江戸川学園取手高校および紫峰舘での細やかな指導は非常に心強いものでした。勉強の習慣を早くから身に付けられたこと、常に明確な道筋を示して頂けた事など、多くの先生方のおかげで国公立大学医学部に現役合格という結果を得られたのだと思います。現在医師として日々働き学んでいますが、高校生活で培われた、地道に一つ一つの目標を達成していく精神は仕事の上でも大いに活かされていると思います。医師は責任の重い仕事である反面、やりがいも大きい仕事です。時に私が所属する心臓血管外科では、周到な準備を整えて手術を行い、その結果、術後の患者さんの回復ぶりが明快になるのが特に喜びを実感できる瞬間でもあります。
心の豊かなリーダーたらんと目標を持って、規律正しい高校生活を送れた江戸川学園取手高校で学べたことが、私の大きな財産であると共に、これから同じ医療の世界に進み、一緒に社会に貢献できる医師となる後輩の方々がもっと増えてくれたら、より一層喜ばしいことであると思っております。そのためには、私も医療の世界で働く先駆けの一人としていつでも力になりたいと考えておりますので、皆さんの健闘を先生方と共に心より応援しております。
第20期卒業生のT.Yと申します。母校、江戸川学園取手高等学校を卒業後、筑波大学医学専門学群を経て、現在脳神経外科医として病院勤務しております。
僕の高校時代は、勉強と部活というよりは部活に部活と言っていいほど、1年中部活に明け暮れた日々を過ごしていました。勉強もおろそかになりつつ、でも精神的な面を鍛えてもらったことがその後の自分を変えてもらったと思っています。部活を通して自分の弱さを初めて知り、その気持ちに立ち向かうことを教わりました。言葉で教わったのではなく、仲間との練習や試合のなかで自然に考えるようになったのかもしれません。その後の勉強や試験に対して、物怖じしなくなってきたのはこうした精神面で多少なりとも成長できたことなのかなと自身では思っています。
僕は精神的な成熟は高校から大学生にかけて出来上がると思っています。その大事な時期に多くの刺激を受けて感受性豊かな人になることが大事なことだと思います。思い返してみると江戸取にはそうした刺激がたくさんありました。雄大な自然、部活、仲間。そうした刺激を吸収していけば、どんな人でも将来実っていくと思います。勉強についても刺激があれば楽しくなってくると思います。
江戸取生の中には医学部志望の人も多くいると思いますが、本当に自分は医師になりたいのか、そう考えてください。自分に問いかけ続けて答えが出る人は、それだけ信念を持って医師を志しているのでしょう。医師が訴えられるようになったこの時代に、どれだけがんばりたいかをはっきりさせてから医師を目指してください。実際医学部を辞める人、医師を辞める人は結構います。逆に自分の中に揺るがない信念をもっている人は強いです。どんどん医師を取り巻く環境が厳しくなっているので、そうした信念を自身で今一度考えてから志望することをお勧めします。後輩の皆さん、がんばってください。