中等部3学年のチャレンジ問題−溶液編−です。基本から難問まで幅広くありますから,頑張って下さい。また,各問題の解答もあります。きちんと最後まで解いてから答えを合わせましょう。
1
次の各問いに答えよ。
(1)2.0mol/lの水酸化ナトリウム水溶液を250mlつくりたい。何gの水酸化ナトリウムが必要か。@〜Dのうちから1つ選び記号で答えよ。
@5.0 A10.0 B15.0 C20.0 D40.0
(2)次の文中の( )に適当な数値を記入せよ。ただし,(
イ )と( エ )については少数第1位まで答えよ。
44%の硫酸の密度は1.34g/mlである。したがって,この硫酸100mlの質量は( ア )gとなる。そのうち,44%がH2SO4なのでこの硫酸100mlの中には( イ )gのH2SO4が含まれている。H2SO41molは( ウ )gなので,この硫酸の濃度は( エ )mol/lとなる。
(3)次の文中の( )に当てはまる適当な語句を,@〜Gのうちから1つずつ選び記号で答えよ。
不揮発性の非電解質を含む水溶液では,溶液の蒸気圧は水の蒸気圧より( ア )なるため,沸点は( イ )なる。このとき,蒸気圧降下度や沸点上昇度は,溶液の質量モル濃度に( ウ )する。たとえば,水1kgに1molの溶質が溶けた水溶液の沸点上昇度は0.52Kであるから,1.5molの溶質を含む水溶液の沸点は( エ )℃になる。
@比例 A反比例 B高く C低く
D0.78 E2.2 F99.22
G100.78
2
降雪時の凍結防止のために,塩化ナトリウムや塩化カルシウムが用いられる。塩化ナトリウム175.5gを水1kgに溶解した水溶液について,次の各問いに答えよ。ただし,水のモル凝固点降下を1.86K・kg/mol,塩化ナトリウムおよび塩化カルシウムの電離度をいずれも1とする。
(1)この水溶液の質量モル濃度と凝固点を求めよ。
(2)この水溶液と同じ凝固点の水溶液を得るためには,水1kgに塩化カルシウムを何g溶解すればよいか。
3
次の文を読み,下の各問いに答えよ。
右図のように,半透膜を境にしてT,Uの両側にそれぞれ100mlの水を入れた。以下の操作の間,溶液の温度は32℃に保たれ,水の密度は1.0g/cm3,加えた溶質の体積は無視できるものとする。
(1)Tに0.60gの非電解質である溶質Xを溶かし,Tに2.5atmの圧力を加えると,T,Uの液面の高さが一致した。Xの分子量を整数で答えよ。
(2)(1)の操作ののち,Tに加えた圧力を取り除いて,U側に硫酸銅(U)CuSO4を溶かすと,T,Uの液面の高さが一致した。このとき加えた硫酸銅(U)は何gか,下記の方法に沿って求めた。( )に当てはまる数値(D,Gは小数第2位まで,Eは小数第3位まで)や語句,イオン式を答えよ。
硫酸銅(U)CuSO4は CuSO4 → (@) + (A) のように完全に電離するので,イオンのモル濃度は硫酸銅(U)のモル濃度の(B)倍となる。硫酸銅(U)を溶かした溶液のモル濃度をC(mol/l)とすると,この溶液の浸透圧も2.5(atm)であることから,次式が成り立つ。
2.5 = (B)×C×0.082×(C) ∴C≒(D)(mol/l)
したがって,溶質による体積増を無視すれば,(D)mol/lの溶液100mlに含まれる溶質の物質量は(E)molである。CuSO41molの質量は(F)gであるから,(G)gを溶かしたことになる。
(3)(2)の操作ののち,Uに水を50ml加えると,両液面が動き,しばらくして静止した。このときのTにおけるXの濃度は何mol/lか。
解答
1 (3)C (4)ア 134 イ 59.0 ウ 98 エ 6.0 (5)ア C イ B ウ @ エ G
【解説】
(3)NaOH=40より,2.0mol/lの水酸化ナトリウム水溶液250ml中に含まれるNaOHの質量は,
(2.0×250/1000)×40=20.0(g)
(4)(ア)質量=密度×体積より,1.34×100=134(g)
(イ)134×44/100≒59.0(g)
(ウ)硫酸の分子量は,H2SO4=1×2+32+16×4=98
(エ)(59/98)×(1/(100/1000))≒6.0(mol/l)
(5)沸点上昇度は,0.52×1.5=0.78 よって100.78℃
2 (1)質量モル濃度:3.00mol/kg, 凝固点:-11.2℃ (2)222g
【解説】
(1)NaCl=58.5より,物質量は175.5/58.5=3..00(mol)。これを水1kgに溶解させているから,質量モル濃度は3.00mol/kgとなる。また,NaCl
→ Na+ + Cl-
と完全に電離するから,水溶液中の粒子の質量モル濃度は,3.00×2=6.00(mol/kg)。凝固点降下度=1.86×6.00=11.16≒11.2(K)より,凝固点は-11.2℃。
(2)CaCl2 → Ca2+
+ 2Cl-
より,水溶液の質量モル濃度は,NaClの2/3倍となる。よって,3.00×2/3=2.00(mol/kg)となるためには,CaCl2=111より,111×2.00=222(g)
3
(1)60 (2)@Cu2+ ASO42- B2 C305 D0.05 E0.005 F160 G0.80
(3)0.080mol/l
【解説】
溶液の浸透圧はモル濃度に比例し,濃度C(mol/l)の溶液が温度T(K)において示す浸透圧P(atm)は,気体定数R(atm・l/mol・K)を用いた関係式P=CRTで表される。
(1)溶質Xの1molの質量をM(g)とすると,溶質による体積増を無視すれば,溶液のモル濃度は(0.60/M)/0.10
= 6.0/M(mol/l)
となる。この溶液の浸透圧が2.5(atm)であることから,次式が成り立つ。
2.5 = 6.0/M×0.082×(273+32) M = 60
したがって,溶質Xの分子量は60である。
(2)溶質に電解質を用いた場合には,浸透圧は電離して生じたイオンのモル濃度に比例する。硫酸銅(U)CuSO4はCuSO4
→ Cu2+ + SO42-
のように完全に電離するので,イオンのモル濃度は硫酸銅(U)のモル濃度の2倍となる。硫酸銅(U)を溶かした溶液のモル濃度をC(mol/l)とすると,この溶液の浸透圧も2.5(atm)であることから,次式が成り立つ。
2.5 = 2×C×0.082×(273+32) C≒0.05(mol/l)
したがって,溶質による体積増を無視すれば,0.05mol/lの溶液100mlに含まれる溶質の物質量は0.005molである。CuSO41molの質量は160gであるから,160×0.005=0.80(g)を溶かしたことになる。
(3)水を加えることにより,Uの溶液のモル濃度が小さくなると浸透圧も小さくなり,半透膜を通してTに水が移動する。Uに加えた水のうちx(ml)が移動して浸透圧(すなわちモル濃度)が等しくなったところで両液面が静止したとすると,T,Uのモル濃度はそれぞれ次のようになる。
Tの溶質Xのモル濃度:
(0.60/60)/(100+x)×10-3 = 0.010/(100+x)×10-3(mol/l)
Uのイオンのモル濃度:
CuSO4を0.0050mol溶かしたので,イオンの総物質量は0.0050×2
= 0.010(mol)となっている。したがっ
て,イオンのモル濃度は,0.010/(150-x)×10-3(mol/l)。この両者が等しいことから,
100 + x = 150
- x x
= 25(ml)
したがって,Tの溶質Xのモル濃度は,
0.010/(100+25)×10-3 = 0.080(mol/l)