中等部3学年のチャレンジ問題−原子量・分子量・物質量編−です。基本から難問まで幅広くありますから,頑張って下さい。また,各問題の解答もあります。きちんと最後まで解いてから答えを合わせましょう。
問題
1 水18mgのなかで,共有結合にかかわっている電子の総数はいくつか。最も適当な数値を,次の@〜Dのうちから一つ選べ。ただし,アボガドロ数を6.0×1023とする。
@0.6×1021 A1.2×1021 B1.8×1021 C2.4×1021 D3.6×1021 〔95センター試〕
2 スクロース(ショ糖C12H22O11,分子量342)8gとグルコース(ブドウ糖C6H12O6,分子量180)1gの混合物がある。この混合物中のスクロース分子の数は,グルコース分子の数の何倍か。最も近い値を次の@〜Iのうちから選べ。H=1.0,N=14
@2.1 A4.2 B6.3 C8.4 D10 E12 F14 G16 H18 S20
3 アンモニア(a),メタン(b)およびエタン(c)の3種類の気体がある。次の1および2にあてはまるものを次の@〜Eのうちから一つずつ選べ。H=1.0,C=12,N=14
1.0℃,1atm,1リットルの気体中に含まれる水素原子の数の大小の順序
2.1gの気体に含まれる水素原子の大小の順序
@a>b>c Aa>c>b Bb>a>c Cb>c>a Dc>a>b Ec>b>a
解答・解説
1 水分子の電子式H:O:Hより,水1分子中の共有結合にかかわっている電子は4個である。したがって水18mg=18×10−3g中では,
(18×10−3/18)×6.0×1023×4=2.4×1021(個) よって C
2 スクロース分子の数/グルコース分子の数=スクロースの物質量/グルコースの物質量
=(8/342)/(1/180)≒4.21(倍) よって A
3 アンモニアNH3(分子量17),メタンCH4(分子量16),エタンC2H6(分子量30)について,
1.同温・同圧・同体積の気体中には気体の種類に関係なく同数の分子が含まれている(アボガドロの法則)。よって,0℃,1atm,1リットルの気体中に含まれる水素原子数の大小の順は,それぞれの気体の1分子中に含まれる水素原子の数の大小の順に等しい。 よって E
2.1gの気体に含まれる水素原子の物質量は,
アンモニア:(1/17×3)mol≒0.18mol
メタン:(1/16×4)mol=0.25mol
エタン:(1/30×6)mol=0.20mol よって C
問題
4 標準状態で2.8リットルを占める気体の質量が2.0gである物質として正しいものを,次の@〜Dのうちから一つ選べ。H=1.0,He=4.0,C=12,N=14,O=16,Cl=35.5
@He AN2 BO2 CCl2 DCH4 〔00センター追試〕
5 水素を吸収するニッケル合金がある。このニッケル合金に水素を吸着させたところ,質量が0.30%増加した。この合金の1cm3は,標準状態の水素を何ml吸収したか。最も適当な数値を,次の@〜Dのうちから一つ選べ。合金の密度を8.3g/cm3とする。H=1.0
@28 A56 B140 C280 D560 〔00センター試〕
解答・解説
4 標準状態で,2.8リットルの質量が2.0gである気体のモル数は,
(2.0g/2.8リットル)×22.4リットル/mol=16g/mol
分子量が16の気体はCH4である。 よって D
5 合金1cm3(=8.3g)は,水素を吸収して質量が0.30%増加した。よって吸収した水素の質量は,(8.3×0.30/100)gである。水素は標準状態で2.0gが22.4リットルであるから,吸収した水素の標準状態の体積は,
8.3g×0.30/100×22.4リットル/2.0g≒0.28リットル=280ml よって C
問題
6 体積パーセントで水素75%,窒素25%の混合ガスの平均の分子量として最も適当な数値を,次の@〜Eのうちから一つ選びなさい。H=1.0,N=14
@4.3 A6.5 B8.5 C17 D29 E34 〔98センターIA試〕
7 反応の前後において分子の総数に変化がない反応を,次の@〜Dのうちから一つ選びなさい。
@窒素+水素→アンモニア
A窒素+酸素→一酸化窒素
B二酸化窒素→四酸化二窒素
Cアンモニア+酸素→一酸化窒素+水
D一酸化窒素+酸素→二酸化窒素 〔00センター追試〕
8 次の3段階の反応を利用して硫化鉄(U)から硫酸をつくることができる。
4FeS+7O2→2Fe2O3+4SO2……(1)
2SO2+O2→2SO3…………(2)
SO3+H2O→H2SO4…………(3)
硫化鉄(U)から,質量パーセント濃度80%の硫酸196gをつくるのに必要な酸素は何 mol か。最も適当な数値を,次の@〜Eのうちから一つ選びなさい。ただし,原子量はH=1.0,O=16.0,S=32.1
@0.8 A14 B1.8 C2.8 D3.6 E5.6 〔97センター追試〕
解答・解説
6 アボガドロの法則から,体積で水素75%,窒素25%の混合気体は,分子数でも水素が75%,窒素が25%の混合物である。よってその分子量の平均は,
1.0×2×(75/100)+14×2×(25/100)=8.5 よって B
7 それぞれの反応の化学反応式は次のとおり。
@N2+3H2→2NH3
AN2+O2→2NO
B2NO2→N2O4
C4NH3+5O2→4NO+6H2O
D2NO+O2→2NO2
反応の前後において分子の総数に変化がないのはAである。
8 (1)と(2)の化学反応式から,硫化鉄(U)4molから硫酸4molをつくるのに必要な酸素は計9molであるから,酸素は生成する硫酸の物質量の9/4倍が必要である。よって,濃度80%の硫酸196gをつくるのに必要な酸素は,
196×(80/100)×(1/98.1)×(9/4)=3.60 D
問題
9 次の記述a,bに当てはまる化合物を,下の@〜Dのうちから一つずつ選びなさい。ただし,同じものを繰り返し選んでもよい。また,〔 〕内の数字は分子量を示す。
a 1gを完全に燃焼させるとき,二酸化炭素の発生が最も少ないもの。
b 1molを完全に燃焼させるとき,酸素を最も多く必要とするもの。
@アセトアルデヒドC2H4O〔44〕 AエチレンC2H4〔28〕
BエタノールC2H6O〔46〕 CプロパンC3H8〔44〕
DアセトンC3H6O〔58〕 DベンゼンC6H6〔78〕 〔95センター追試〕
10 次のa〜cは,それぞれの反応で発生する気体の物質量を示す。a,b,cの値の大小の順序を,下の@〜Dのうちから一つ選びなさい。C=12,O=16,Ca=40
a 炭酸カルシウム1gに多量の希塩酸を加えるときに発生する二酸化炭素の物質量。
b 炭化カルシウムCaC21gに多量の水を加えるときに発生するアセチレンの物質量。
c カルシウム1gに多量の希塩酸を加えるときに発生する水素の物質量。
@a>b>c Aa>c>b Bb>a>c Cb>c>a Dc>a>b Ec>b>a
解答・解説
9 それぞれの有機化合物1molが,完全に燃焼するときの反応を化学反応式で表すと,
@アセトアルデヒドC2H4O+5/2O2→2CO2+2H2O
AエチレンC2H4+3O2→2CO2+2H2O
BエタノールC2H6O+3O2→2CO2+3H2O
CプロパンC3H8+5O2→3CO2+4H2O
DアセトンC3H6O+4O2→3CO2+3H2O
EベンゼンC6H6+15/2O2→6CO2+3H2O
a それぞれの有機化合物1g,すなわち(1/分子量)molから発生するCO2の物質量は
@ 2/44mol A 2/28mol B 2/46mol C 3/44mol D 3/58mol E 6/78mol
よって最も少ないものはB
b 有機化合物1molの完全燃焼の反応式で,O2の係数が最も大きいものはEのベンゼンである。
10 a CaCO3+2HCl→CaCl2+H2O+CO2
CaCO3の式量は100であるから,その1gは1/100molで,CO2の発生量も1/100molである。
b CaC2+2H2O→Ca(OH)2+C2H2(アセチレン)
CaC2の式量は64であるから,その1gは1/64molで,C2H2の発生量も1/64molである。
c Ca+2HCl→CaCl2+H2
Caの原子量は40であるから,その1gは1/40molで,H2の発生量も1/40molである。
よってEとなる。