中等部3学年のチャレンジ問題−酸・塩基編−です。基本から難問まで幅広くありますから,頑張って下さい。また,各問題の解答もあります。きちんと最後まで解いてから答えを合わせましょう。


1 0.20molの酢酸を含む水溶液がある。この水溶液での酢酸の電離度を0.016とすると,水溶液中の酢酸分子,水素イオンはそれぞれ何molか。

 

2 次の溶液のpHはいくらか。
(1) 0.05mol/
l硫酸
(2) 0.04mol/
l酢酸(電離度を0.025とする)
(3) 0.1mol/
l水酸化ナトリウム水溶液
(4) 0.005mol/
l水酸化バリウム水溶液

 

3 水酸化ナトリウムと水酸化カリウムの混合物が2.32gある。これを水にとかし1.00mol/lの塩酸で中和するのに50.0mlが必要であった。混合物中に水酸化ナトリウムは何g含まれていたか。

 

4 次の文中の( )に適当な数値または語句を,@〜Eのうちから1つずつ選び記号で答えよ。
 6.30gのシュウ酸二水和物(COOH)
2・2H2Oを水に溶かして500mlにした。この水溶液の濃度は( ア ) mol/lである。( イ )を指示薬として,このシュウ酸水溶液10.0mlを中和するのに,水酸化ナトリウム水溶液15.0mlを必要とした。したがって,この水酸化ナトリウム水溶液の濃度は( ウ )mol/lである。
  @0.05    A0.10    B0.13    C0.27   Dメチルオレンジ    Eフェノールフタレイン

 

5 酢酸の濃度を求めるため,次の操作を行った。下の各問いに答えよ。

〔操作1〕 標準溶液として0.050mol/lのシュウ酸水溶液1l(A液)をつくった。
〔操作2〕 水酸化ナトリウム約0.8gを水に溶かして,200m
l(B液)とした。
〔操作3〕 A液20.0m
lをB液で中和滴定すると25.0mlを要した。
〔操作4〕 酢酸水溶液20.0m
lをB液で中和滴定すると38.0mlを要した。

(1)A液を1lをつくるために必要なシュウ酸二水和物(COOH)2・2H2Oは何gか。
(2)B液の濃度は何mol/
lか。
(3)〔操作3〕で必要な器具を,次の@〜Eから3つ選び記号で答えよ。
  @コニカルビーカー A試験管 BメスフラスコCビュレット Dホールピペット Eメスシリンダー
(4) (3)で用いた器具のうち,蒸留水でぬれたまま用いてもよいものはどれか。@〜Eの記号で答えよ。
(5)〔操作4〕で用いる指示薬としては何が最も適当か。また,そのときその指示薬は何色から何色へ変化するか。「青色→黒色」のように答えよ。
(6)酢酸水溶液の濃度は何mol/
lか。

 


解答

1 CH3COOH:0.197mol, H+:3.2×10-3mol

【解説】
CH
3COOH → CH3COO- + H+
電離度0.016より,H+は0.20×0.016=3.2×10-3(mol),CH3COOHは0.20×(1-0.016)≒0.197(mol)

 

2 (1)pH=1 (2)pH=3 (3)pH=13 (4)pH=12

【解説】
(1)[H
+]=0.05×2×1=0.1(mol/l) ∴pH=1
(2)[H
+]=0.04×1×0.025=1×10-3(mol/l) ∴pH=3
(3)[H
+]=1×10-14/0.1×1×1=1×10-13(mol/l) ∴pH=13
(4)[H
+]=1×10-14/0.05×2×1=1×10-12(mol/l) ∴pH=12

 

3 1.2g

【解説】
NaOH=40,KOH=56より,水酸化ナトリウムを
xgとすると,
 
x/40×1 + (2.32-x)×1/74 = 1.00×(50.0/1000)×1  ∴x=1.2(g)

 

4 ア A イ E ウ B

【解説】
シュウ酸の結晶中の水和水の扱いに注意する。あとから水を加えて全体を500m
lにしているので,モル濃度を計算するときに水和水は気にしなくてよい。また,中和の量的関係は,価数×物質量の値が互いに等しいと表現できる。
 (ア)シュウ酸は2価の酸である。(COOH)
2・2H2O=126より,シュウ酸水溶液の濃度は,次のようになる。
  (6.30/126)×(1000/500)=0.10(mol/
l)
 (イ)シュウ酸は2価の弱酸であり,水酸化ナトリウムは1価の強塩基である。このときの中和滴定では,アルカリ性側に変色域をもつフェノールフタレインを指示薬として用いる。
 (ウ)求める水酸化ナトリウム水溶液の濃度を
x(mol/l)とすると,(nCV/1000)=(n'C'V'/1000)の公式から,次のようになる。
  2×0.10×10.0/1000=1×
x×15.0/1000
  したがって,
x=0.13(mol/l)

 

5 (1) 6.3g (2) 0.080mol/l (3) @,C,D (4) @ (5) フェノールフタレイン,無色→(淡)赤色 (6) 0.15mol/l

【解説】 シュウ酸二水和物(COOH)2・2H2Oの結晶は,安定で高純度の結晶が得られるので,中和滴定の標準溶液を調製するのに最適である。この標準溶液からNaOH水溶液の正確な濃度を決定し,その水溶液を用いて,濃度不明の酢酸水溶液の濃度を決定する。これらの操作で用いる器具は,その器具の使用目的に応じて,純粋な水で洗浄,または使用する溶液で2〜3度すすぎ洗いをして用いる。

(1)このとき必要なシュウ酸二水和物の質量は,(COOH)2・2H2O=126 より,
 126×0.050×1=6.3(g)
(2)NaOH水溶液の濃度を
x(mol/l)とすると,シュウ酸は2価の酸だから,次のようになる。
 2×0.050×20.0/1000=1×x×25.0/1000     ∴
x=0.080(mol/l)
(4)コニカルビーカーは,滴定する酸や塩基を加える容器として用いるので,コニカルビーカーに酸や塩基が付着していなければ,純粋な水などでぬれたまま用いてよい。ビュレットやホールピペットは,酸や塩基の一定体積を測り取るために用いるので,純粋な水などでぬれたまま使用すると,酸や塩基の濃度が変化するのでふさわしくない。そこで,これらの器具は使用する溶液で洗ってから用いる。したがって,@である。
(5) 弱酸と強塩基の中和反応だから,中和点は弱塩基性にある。したがって,変色域がpH=8.3〜10.0あるフェノールフタレインを用いる。このときの色の変化は,酸性・中性では無色,塩基性で赤色となる。
(6)酢酸水溶液の浪度を
x(mol/l)とすると,
 1×
x×20.0/1000=1×0.080×38.0/1000   ∴x=0.15(mol/l)

 


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