19 方丈記   

学習のポイント

 この文章前半は非常にリズムが良いが、音読をしてその理由を考えてみましょう。前回の文章と合わせて、災害が人々の考え方とどう関わっているかについて考えましょう。文法書では、「なり」、「たり」がそれぞれ2つずつあることに注目しておきましょう。 

    重要単語です。クリックすると意味が出ます。

 また同じころかとよ、おびただしく大地震振る事侍りき。
 そのさま、世の常ならず。山は崩れて川を埋み、海は傾きて陸地をひたせり。土裂けて水湧き出で、巌割れて谷にまろび入る。なぎさ漕ぐ船は波に漂ひ、道行く馬は脚の立ちどをまどはす。都のほとりには、在々所々、堂舎塔廟、一つとしてまたからず。あるいは崩れ、あるいは倒れぬ。塵灰立ち上りて、盛りなる煙のごとし。地の動き、家の破るる音、雷に異ならず。家の内にをれば、たちまちにひしげなむとす。走り出づれば、地割れ裂く。羽根なければ、空をも飛ぶべからず。竜ならばや、雲にも乗らむ。恐れのなかに恐るべかりけるは、ただ地震なりけりとこそ覚え侍り(   )
 かく、おびただしく振る事は、しばしにて止みにしかども、そのなごり、しばしは絶えず。世の常、驚くほどの地震、二、三十振らぬ日はなし。十日・二十日過ぎにしかば、
やうやう間遠になりて、あるいは四、五度、二、三度、もしは一日まぜ、二、三日に一度など、おほかたそのなごり、三月ばかりや侍りけむ。
 四大種のなかに、水・火・風は常に害をなせど、大地にいたりては異なる変をなさず。昔、斉衡のころとか、大地震振りて、東大寺の仏の御首落ちなど、いみじき事ども侍りけれど、
なほこのたびにはしかずとぞ。すなはちは、人みなあぢきなき事を述べて、いささか心の濁りも薄らぐと見えしかど、月日重なり、年経にしのちは、言葉にかけて言ひ出づる人だになし

 

問1 空欄に過去の助動詞「き」を適当な形に直して入れなさい。正解

問2 「(世の常)なら(ず)」「(雷に異)なら(ず)」「(間遠に)なり(て)」の「なら」「なり」の違いを説明しなさい。正解

問3 「(飛ぶ)べから(ず)」「(煙の)ごとし」の文法的意味を答えなさい。正解

問4 一つとしてまたからずを口語訳しなさい。正解

問5 「言葉にかけて言ひ出づる人だになし」を口語訳しなさい。正解

問6 「いみじき」「あぢきなき」のここでの意味を答えなさい。正解

 

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