18 方丈記  

学習のポイント

 京の飢餓の様子が、副助詞を用いることで、非常に深刻に描かれていることに注意しましょう。また文法書で「し」の判別について見ておきましょう。

    は重要単語です。クリックすると意味が出ます。

 また、養和のころとか、久しくなりて覚えず。二年が間、世の中飢渇して、あさましきことはべりき。あるいは春・夏ひでり、あるいは秋、大風・洪水など、よからぬことどもうちつづきて、五穀ことごとくならず。夏植うるいとなみありて、秋刈り、冬収むるぞめきはなし。これによりて、国々の民、あるいは地を捨てて境を出で、あるいは家を忘れて山に住む。様々の御祈りはじまりて、なべてならぬ法ども行はるれど、さらにそのなし。京の習ひ、何わざにつけても、皆もとは田舎をこそ頼めるに、絶えて上る者なければ、さのみやは操もつくりあへん。念じわびつつ、様々の財物、かたはしより捨つるがごとくすれども、さらに目見たつる人なし。たまたま換ふる者は、金を軽くし、粟を重くす。乞食路のほとりに多く、うれへ悲しむ声耳に満てり。(中略)あやしき賤・山がつも力尽きて、薪さへ乏しくなりゆけば、頼む方なき人は、みづからが家をこぼちて、市に出でて売る。一人が持ちて出でたる価、一日が命にだにおよばずとぞ。あやしきことは、薪の中に、赤き丹着き、箔など所々に見ゆる木、あひ交はりけるを、たづぬれば、すべきかたなき者、古寺にいたりて、仏を盗み、堂の物の具を破り取りて、割りくだけるなりけり。濁悪の世にしも生まれあひて、かかる心憂きわざをなん見はべり(    )

問1 「なべてならぬ」「さらに」「念じわびつつ」の口語訳として最も適当なものを次から選び、記号で答えなさい。正解

ア 念仏を唱えては  イ がまんしきれなくなって 
ウ 並々ではない   エ 奇妙な  
オ いっそう      カ 全く

問2 「のみ」「さへ」「だに」の副助詞の意味として最も適当なものを次から選び、記号で答えなさい。 正解 

    1 類推「〜サエ」  2 限定・強意「〜ダケ」  3 添加「〜マデモ」

問3 「ごとく」「なり」の文法的意味として最も適当なものを次から選び、記号で答えなさい。正解

    1 推量  2 断定  3 比況   

問4 「あやしき賤」「あやしきこと」の「あやしき」の意味の違いを明確にして簡潔に口語訳しなさい。正解

問5 作者はここでどんなことを「心憂きわざ」と言っているのか。次の文中の空欄に当てはまる言葉を五文字以内で考えて答えなさい。正解

仏具を平気で破壊する点に人々の(     )が見られること。

問6  空欄に当てはまるように助動詞「き」を活用させて答えなさい。正解

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