17 伊勢物語
学習のポイント
話の全体が、前半後半とに分かれていて、互いに対応していることに注意しましょう。できたら人物同士がどのような関係になっているかも考えておきましょう。文法書では、助詞のところを見て、助詞の6分類の正確を大づかみしておきましょう。
は重要単語です。クリックすると意味が出ます。
昔、男ありけり。女のえ得まじかりけるを、年を経てよばひわたりけるを、からうじて盗み出でて、いと暗きに来けり。芥川といふ川を率て行きければ、草の上に置きたりける露を、「かれは何ぞ」となむ男に問ひける。行く先多く夜も更けにければ、鬼あるところとも知らで、神さへいといみじう鳴り、雨もいたう降りければ、あばらなる蔵に、女をば奥に押し入れて、男、弓・やなぐひを負ひて戸口に居り。はや夜も明けなむと思ひつつゐたりけるに、鬼はや一口に食ひてけり。「あなや」と言ひけれど、神鳴る騒ぎにえ聞かざりけり。やうやう夜も明けゆくに、見れば率て来し女もなし。足ずりをして泣けどもかひなし。
白玉か何ぞと人の問ひし時露と答えて消えなましものを
これは、二条の后のいとこの女御の御もとに、仕うまつるやうにてゐ給へりけるを、かたちのいとめでたくおはしければ、盗みて負ひて出でたりけるを、御兄人堀川の大臣、太郎国経の大納言、まだげらふにて内へ参り給ふに、いみじう泣く人あるを聞きつけて、とどめてとりかへし給うてけり。それをかく鬼とは言ふなりけり。まだいと若うて、后のただにおはしける時とや。
問1 傍線部「女の」、「后の」の「の」の説明として正しいものを次から選び、記号で答えなさい。正解
ア 主格 イ 連体修飾格 ウ 同格 エ準体言
問2 「はや夜も明けなむ」を口語訳しなさい。正解
問3 「消えなましものを」を口語訳しなさい。正解
問4 「思ひつつゐたりけるに」「言ひけれど」の主語を次から選び、記号で答えなさい。正解
ア 女 イ 男 ウ 筆者 エ 神
問5 「伊勢物語」の説明として正しいものを選びなさい。正解
ア 平安時代前期に成立した説話集で、紀貫之がモデルといわれている。
イ 鎌倉時代前期に成立した随筆で、藤原定家がモデルといわれている。
ウ 平安時代前期に成立した歌物語で、在原業平がモデルといわれている。
エ 鎌倉時代前期に成立した日記で、紫式部がモデルといわれている。