〈A1〉
卵白に水を加えたものは、白く濁っている。これはグロブリンが水に溶けないためである。ここへNaCl水溶液を加えると、グロブリンが溶けて全体が透明になる。このように、電解質を加えることにより物質の溶解度が増加する現象を塩溶という。これは、加えたナトリウムイオンや塩化物イオンがタンパク質の電荷を持つ部分に付着して、タンパク質どうしの引き合う力を弱めるためである。
〈A2〉
右からエタノール、3mol/l塩酸、3mol/l水酸化ナトリウム水溶液、0.1mol/l硫酸銅(U)水溶液を加えたときの変化である。
水酸化ナトリウムを加えると溶液が透明になるが、その他は凝固している。一番左は加熱したときの変化である。加熱によりタンパク質が凝固したが、長時間強火で加熱したためにこげてしまった。
〈A3〉
タンパク質を加熱したり、タンパク質の溶液に酸や金属イオン、エタノールなどの有機化合物を加えるとタンパク質の立体構造が破壊されて、もとのもどらなくなることがある。これをタンパク質の変性という。これは、タンパク質のペプチド結合が切れるのではなく、立体構造を保っている水素結合などが切れて、分子の形状が変化してしまうためである。変性したタンパク質は、分子内のアミノ酸配列は変わっていないが、生理的な活性は失われている。
〈A4〉
タンパク質水溶液に水酸化ナトリウム水溶液を加えた後、硫酸銅(U)水溶液を少量加えると赤紫色になる。この反応をビウレット反応という。この反応は、タンパク質に含まれる2個以上のペプチド結合が銅イオンとキレート錯体をつくることによって呈色する。
右がビウレット反応の赤紫色である。左がキサントプロテイン反応の黄色である。
〈A5〉
タンパク質水溶液に濃硝酸を加えて加熱すると黄色沈殿が生じ、冷却後、アンモニア水を加えて塩基性にすると、橙黄色に変化する。この反応をキサントプロテイン反応という。この反応の原因は、多くのタンパク質に含まれるチロシンやフェニルアラニンなどの芳香族アミノ酸のベンゼン環に対し、ニトロ化がおこるためである。
〈A6〉

◎無処理のもの
アミラーゼのはたらきによりデンプンが分解された。
(左で、ヨウ素デンプン反応がでなかった)
◎加熱処理したのもの
加熱によりアミラーゼが失活したため、デンプンは分解されなかった。
(右で、青紫色のヨウ素デンプン反応を呈した。)
1.ニンヒドリン反応
アミノ酸にニンヒドリン水溶液を加えて温めると、青紫から赤紫色に呈色する。この反応は、ニンヒドリン反応とよばれ、ふつうはアミノ酸の検出に用いられる。この反応は非常に鋭敏な反応であるから、きわめて薄いアミノ酸の水溶液や、タンパク質中に含まれる遊離のアミノ基とも反応する。したがって、タンパク質を検出することも可能である。
2.窒素の検出 3.硫黄の検出
タンパク質水溶液に水酸化ナトリウムの小粒を2〜3個加えて数分間煮沸する。このとき、水で濡らした赤色リトマス紙を試験管の口にあてがい変化をみる。窒素が含まれていればアンモニアが発生するので、赤色のリトマス紙が青色に変化する。
さらに、試験管を冷やした後、酢酸を加えて酸性にしてから、酢酸鉛(U)水溶液を数滴加えて色を調べる。硫黄が含まれていれば黒色の酸化鉛(U)PbSの沈殿が生じる。
問1 ア:塩化ナトリウム イ:赤色リトマス
問2 青変 アンモニア 窒素
問3 凝固し、沈殿が生じる。 変性。
問4 赤紫色 ビウレット反応
問5 キサントプロテイン反応
タンパク質の成分であるアミノ酸のベンゼン環がニトロ化されるために黄色に発色する。