物 語 の 系 譜
伝奇物語:文字通り「奇を伝える」物語で、空想、理想を求める傾向にある物語です。
竹取物語 【成立】『源氏物語』に「物語の出で来はじめの祖(おや)なる竹取の翁」とあります。『竹取物語』が物語の元祖というわけです。西暦900年前後に成立しました。
【粗筋】竹取の翁が竹の中から見つけた3寸ばかりの子供は、3月ほどで美しい女に成長、「なよ竹のかぐや姫」と名付けられる。多くの貴公子が求婚して来るが、その中でも熱心だった5人に、かぐや姫は難題を与え、求婚の申し出を退ける。帝が求婚するが、8月15日の夜、月からの迎えが来ることを知り、2000人の警護のを付けた。しかし警護の者は全く動けず、かぐや姫は天に帰って行く。帝に不死の薬が送られたが、がくや姫のいない世で不死の薬は意味がないと、天に一番近い山でこれを焼くよう命じる。山に登る命令で武士が潤ったので、この山を「富士」と呼ぶようになった。不死の薬なので今でも燃え尽きず、煙を天にたなびかせている。
歌物語:歌を中心といる、現実的な物語です。歌がメインなので、恋の話が多くなります。
伊勢物語 【成立】在原業平を中心とする物語で、『古今集』の詞書にほとんど同じ表現が見られることから、900年前後には成立していたと考えられます。ただし、10世紀半ばに追加されたと思われる部分もあり、全体の成立もその頃だとする説もあります。『古今集』の詞書は簡素なもので、伊勢物語の文を参考にしたと考える方が筋が通るように思われます。(「月やあらぬ」で両方の文を比べますので参照して下さい。)
古くは業平の地位から、「在五物語」「在五中将物語」などの名称もあったようです。
【粗筋】業平をモデルとする「昔男」の元服から死まで、一人の男の一代記という形式をとっていますが、明らかな業平の実話、虚構による業平、業平とは無関係の話と、内容は様々です。業平の物語は、業平についてのページで説明します。
作り物語:伝記物語と歌物語とを融合させたものです。『源氏物語』が代表的な作品になります。