門出・本文
「門出」の本文です。傍線部のある青い文字をクリックすると解説が出ます。
男もすなる日記といふものを、女もしてみむとて、するなり。
それの年の、十二月の、二十日余り一日の日の、戌の時に門出す。そのよし、いささかに、ものに書きつく。
ある人、県の四年五年はてて、例のことども、みなし終へて、解由など取りて、住む館より出でて、船に乗るべき所へ渡る。かれこれ、知る知らぬ、送りす。年ごろ、よく比べつる人々なむ、別れがたく思ひて、日しきりに、とかくしつつののしるうちに、夜ふけぬ。
ここがポイント
「なり」の判別:本文1行目「すなる」と「するなり」は、どちらもサ変の動詞に助動詞の「なり」が付いた形です。しかし、「す」は終止形、「する」は連体形ですから、「なり」の意味は違います。
終止形+「なり」:伝聞・推定の助動詞。伝聞は「(そのように)耳にしている」「聞いている」と、推定は「〜らしい」という訳をします。
連体形+「なり」:断定の助動詞。「〜だ」「〜である」と訳します。こちらは体言にも接続します。
「す」は、「食ふ」「飲む」「行く」「来」など様々な動詞の代わりに用いられます。本文では対象が「日記」ですから、「書く」の意味で取ります。
月の名・時刻:「十二月」は「じゅうにがつ」と読みません。古文独特の読み方をしましょう。……
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「戌の時」は、十二支による時刻の表わし方です。「子」を0時にとって、2時間ずつ進めます。何時になりますか?……
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それでは、口語訳へ進みましょう。