2、有効期間の延ばし方[パート1]。

(旅客営業規則第155条、245条、275条、旅客営業取扱基準規程第141条)

「あこがれの北海道。せっかく行くのだから途中で色々観光したい。」       

と、思っているのは福岡在住の高校生T君。高校生と言ってもこの春で高校卒業なので、春休みを利用して北海道に一人旅を計画しているのだ。卒業前に取っておいた学割を使ってジョイロード博多支店で乗車券を購入しようとした時、初めて彼は自分の使う「福岡市内→札幌市内」の乗車券の有効日数が14日間であることに気が付いた。

「これでは足りない。大阪と東京と函館で3日間ずつ、移動で5日間、それに広島にいる彼女にも 会いたいからここで1日。そしたらどうしても1日足りない。」

遠距離恋愛しているこのT君に救いの手を差し伸べるというのはどうも気が進まないのだが、仕方ないからこのT君救済の方法を考える事にしよう。

まず、1つ目の解決法は前に紹介した乗車券を分割するという方法。しかし、この方法で有効期間を延ばそうとすると、運賃の方が高くついてしまう事が多いのであまりおすすめできない。これはなぜかと言えば、JRの運賃は遠距離逓減制、つまり多く乗ればそれだけ運賃が割安になる制度を採っているからである。もちろん、分割で運賃を安くあげようとすると有効期間を延ばすのは厳しいので、念のため。

2つ目の方法は継続乗車船という規則を使う方法。継続乗車船とは、

「JRグループの乗車券(『青春18きっぷ』等、多くの企画きっぷを除く)は有効期間中に乗りさえすれば、途中下車しない限り、きっぷの行き先駅へ着く日に期限切れになっていても構わない。期限切れ後でも、列車の乗り継ぎができる。」

この規則をフルに使ってT君を救済しようとするのは簡単。函館を14日目の最終で最終目的地札幌に向かえば良いのである。ここで時刻表を見ると、快速「ミッドナイト」に乗るのが最適であるという結論に達する。(なおオフピーク期の快速「ミッドナイト」は、新札幌まで止まらないので函館で有効なすべての乗車券について新札幌まで乗車できる。)

しかし、このT君が変わり者だったとして、

「おれは絶対夜行なんかには乗りたくない。」

とダダをこねた場合どうするか?この場合は最終の森行普通列車で森まで行き、森で

「継続乗船中です。」

と申告して一旦下車すればよい。きっぷの方には下車印ではなく「乗継○月×日<スーパー北斗1号>森駅」の様に乗り継ぎ列車を指定したスタンプを押すことになっている。もちろん翌日、森駅から先も普通列車で行っても差し支えないのだが、どちらにしろ最終目的地へまっすぐかつ早く行く事が要求される。逆行したり遠回りしたりしてはいけない。逆行分の運賃を請求された上に、元の乗車券の前途も無効になる恐れがある。

また、継続乗車船中は乗車変更ができない。室蘭本線経由の乗車券を小樽経由にすることは不可能である。しかし、札幌より先へと乗り越す場合は打ち切り計算、[別途]という形で可能である。もちろん、札幌より手前で前途放棄することもいっこうに差し支えない。

T君、分かったかな?

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「前へ」

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