第1章 運賃計算の基本
1、JR運賃には根本的欠陥が存在する。
(旅客営業規則第249条)
最初からこんな事を書くとお叱りを受けるかも知れないが、しかし事実だから仕方ない。
まず、JRの運賃とは乗車券の値段であり、きっぷ全体の値段を指している訳ではない。きっぷとは、乗車券、特急券、急行券、寝台券、グリーン券、指定席券、乗車整理券、入場券等を指しこれらの値段(乗車券を除く)は料金とよばれる。ここでは前者の運賃体系に注目し、後者の料金に関しては別の機会に採り上げる事とする。
甲と乙は、東京に本社がある某大手商社の社員である。この2人が、静岡支社へ出張に行ったときの2人の交通費を見てみることにしよう。
甲の運賃 3,130円 乙の運賃 3,260円
たった130円であるが、この差はどこから生まれて来るのだろうか?
それは、二人の買った乗車券に差があるのだ。
甲 東京山手線内→草薙(2,940円)+草薙→静岡(190円)
乙 東京山手線内→静岡(3,260円)
甲が使ったテクニックは「分割買い」ということでご存じの方も多いと思われる。なぜ分割すると安くなるのか?
第1の理由がJRの定めた運賃表に問題が内包している。具体的に言うと、運賃の距離区分が距離によって異なるのである。10km以下は3つに区分、11~50kmは5km毎に区分、51km~100kmは10km毎に区分、101km~600kmは20km毎に区分、601km以上は40km毎に区分、となっている。ここから考えると極端な話、600.1kmと639.9kmは39.8kmもの差があるにもかかわらず運賃は同一なのである。つまり、
乗車券は運賃区分の上限で営業キロを分割する
事がポイントである。これを逆に運賃区分の下限で営業キロを分割すると、かえって割高になるので注意したい。
第2の理由は乗り越し運賃の計算方法が打ち切り計算であるということ。打ち切り計算とは乗り越した区間の運賃を別途払う計算方法。これに相対するのが発駅計算方法と言い、実際に乗った区間の運賃から元のきっぷの運賃の差額を払う方法。これが適用されるのは100km以下の乗車券か大都市近郊区間内の乗車券で、それ以外は打ち切り計算が適用されるので「分割買い」が使えることになる。また、発駅計算方法の乗車券でも一度下車する、あらかじめ旅行会社で乗車券を買っておく、定期券・回数券を利用する等、工夫すれば打ち切り計算が適用される。
そして、重要なことは先ほども書いたが
意味なく分割しても割高になることがある
ということである。どの駅で分割すれば最も安くなるかという事を素早く判断する作業は、初心者にははっきり言って大変である。できたら、周りにいる鉄道マニアや鉄道ファンに相談するのがベターであることに間違いない。
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